これは、『日本版アトランティス伝説』というべき、大分県で本当に起きた事件で
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す。現在の大分市の西大分港付近に沖ノ浜港と呼ばれる所がありました。この沖の |
浜港の事を「瓜生島」と呼んでいたようです。大分県は島が豊富な所で、北は国東 |
半島の姫島、南は佐伯市の大入島などがあります。県の中心部にあたる別府湾にも |
同様に島がいくつもありました。民話によると、この島には恵比寿様が祭られてい |
て、「恵比寿様の顔が赤くなると災いが起きる」という噂がありました(ただの仏 |
像であるという説も)。その島の住民の一人で医者の息子が、事もあろうにその恵 |
比寿像に赤い顔料を塗ってしまいます。これを見た民達は当然のよう「災いが起き |
きる!」と大騒ぎをしました。そして、その不安は的中し、慶長元年閏7月12日 |
(1596年8月5日)の午後2時〜4時に別府湾を中心に大地震が発生。この大 |
地震の時に馬に乗った老人(「恵比寿様の化身」と言われています)が現れ、早く |
島から逃げるように言います。顔料を塗った若者も船に乗って逃げようとします |
が、彼は瓜生島と共に海の底へ沈んでしまいます。その被害はすさまじく、「日出 |
町から佐賀関町の間も一部沈没した」とルイス・フロイス神父の報告に記されてい |
ます。 |
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この民話で学ばないといけない事は、「『神格化した石(石像)』は大切にすべき」 |
という点ではではないでしょうか?数々の犠牲者をつくりだしたホープのダイヤモ |
ンドは、「インドの神像から盗まれたブルー・ダイヤモンド」だと伝説では言われて |
います。こういったモノは、もはや石以上の性格を持っているのではないかと私は |
思います。 |